潰瘍出血このページを印刷する - 潰瘍出血

止血術について

消化管出血の原因の多くは、胃潰瘍や十二指腸潰瘍からの出血です。

まず緊急内視鏡を行い、出血源を同定します。露出血管がある場合には、引き続き、内視鏡的止血術を行います。
止血術には主に<クリップ法><凝固法(止血鉗子によるソフト凝固)>を用いています。これらの止血術にても効果が得られない場合、血管造影の手技を用いて、動脈塞栓術を行うことがあります。

 

除菌療法について

ヘリコバクター・ピロリ菌陽性であれば、除菌療法を行います。

P-CAB+アモキシシリン+クラリスロマイシンを1日2回に分けて、連続7日間内服します。約8週後に尿素呼気試験にて効果判定します。

一次除菌に失敗した場合は、二次除菌(クラリスロマイシンをメトロニダゾールに変更したもの)を行います。これらにより約95%除菌に成功します。除菌に成功すれば、投薬は不要となります。

ただし、痛み止め(NSAIDs)や心臓病・脳梗塞の方に処方される低用量アスピリン(LDA)の内服が長期必要な場合は、ピロリ菌の有無にかかわらず、プロトンポンプ阻害剤の併用が必須です。