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早期胃がん

早期がんのうち、深さが粘膜内にとどまっていると診断され、かつ生検にて組織型が分化型と診断されたがんで、<潰瘍がない場合は、大きさを問わない><潰瘍がある場合は、3cm以下>がESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)の適応となります(ESDについては公開資料もご参照ください)。
ただし、未分化型粘膜癌でも2cm以下、潰瘍なしの病変はESDの適応としています。

適応外と診断されれば、外科にて手術になります。
ESD後に遺残が確認された場合は、再ESDまたはAPC(アルゴンプラズマ凝固法)にて治療を行います。ESD後には原則としてヘリコバクター・ピロリ菌の除菌療法(ピロリ菌陽性者のみが対象)を行います。

 

進行胃がん

手術可能な場合は、外科にて手術を行います。

手術不能(転移症例)の場合は、化学療法(抗がん剤投与)が基本的治療になります。S-1、シスプラチン、ドセタキセル、パクリタキセル、CPT-11といった薬剤をうまく組み合わせて治療を行います。これにより長期生存が期待できます。

また幽門狭窄による通過障害に対しては、ステント留置術を考慮します。これにより水分や流動食に近い物は摂取可能となり、化学療法の続行も可能となります。症状が落ち着いていれば、通院にて化学療法を行います(外来化学療法)。

 

内視鏡検査の重要性

胃がんは、日本では最も多いがんの1つです。ぜひ年1回の内視鏡検診をお勧めします。
またESD後の場合、胃は残るため、たとえピロリ菌の除菌に成功しても、第2、第3の胃がん発生を完全に予防することはできません。胃がん治療後も定期的な内視鏡検診が必要です。