皮膚科
概要
当科では、皮膚科全般の診療を行っています。診断が難しいケース、重症な皮膚疾患、手術が必要なケース、さらに診断はついたが良くならないケースなど地域の診療所の先生方からの紹介をお受けしています。
皮膚病変は他人からすれば些細なものであっても、本人の苦痛やストレスは大きな場合もあり、適切な治療により皮疹が改善するように丁寧に患者さんと向き合い、安心して通院して頂けるような皮膚科を目指しております。
診療体制
- 皮膚科の常勤は1人ですが、水疱症や重症薬疹、悪性腫瘍などでは必要に応じて入院加療を行っております。
- 水曜日には手術を行っております。
- 全身麻酔が必要な大きな手術では形成外科の医師に協力していただく場合もあります。
皮膚科で行う検査
アレルギー検査
血液検査
IgEというたんぱく質を介したアレルギーを調べます。
血液検査ではこのIgEの量を調べることでアレルギーの有無や程度を数値化して示します。
パッチテスト(貼付試験)
アレルギー性接触皮膚炎の確定診断に欠かせない検査です。
DLST(リンパ球刺激試験)
薬疹の検査を行う場合、患者血液からリンパ球を分離して、疑われる薬剤と反応させ、 薬剤による刺激があるかどうかをみます。
皮膚生検(病理組織検査)
組織の一部を切除して病理組織標本を作製することを生検といい、確定診断を下すうえで必須の検査です。
通常はホルマリン液で固定され、薄く切って染色されます。
KOH顕微鏡検査
皮膚等の表面をメス等で削り取り、苛性カリ(KOH)を検査材料にたらし顕微鏡で観察する方法です。
ダーモスコピー
光の乱反射を抑え、10-30倍に皮膚病変を拡大して観察し 腫瘍の鑑別を行います。病変の詳細な観察が可能です。
画像検査
エコー、CT、MRI、PETを用いて腫瘍の性状、転移の有無を調べます。
治療
外用(塗り薬)
- 副腎皮質ステロイド剤・・・湿疹、かぶれ
- 抗菌薬(抗生物質)・・・とびひ、にきび
- 抗真菌薬・・・足白癬、カンジダ症
- ビタミンD3・・・疥癬
- 保湿剤・・・アトピー性皮膚炎、皮脂欠乏症
- その他・・・免疫抑制剤、免疫賦活剤、潰瘍治療剤、抗ウィルス剤、ざそう(にきび)外用剤など
内服(飲み薬)
- 副腎皮質ステロイド、免疫抑制剤・・・
膠原病 、天疱瘡 (自己免疫疾患) - 抗ヒスタミン薬、アレルギー薬・・・湿疹、
蕁麻疹 - 抗菌薬(抗生物質)・・・
蜂窩織炎 、とびひ、にきび - 抗真菌薬・・・爪水虫
- 抗ウイルス薬・・・単純ヘルペス、水痘、帯状疱疹
- その他・・・漢方薬など
光線療法
- 紫外線療法、エキシマ療法 ・・・乾癬、痒疹、
掌蹠膿疱症 、尋常性白斑
凍結療法(液体窒素)
たいてい
その他、脂漏性角化症や尖圭コンジローマなどにも。
鶏眼 削除
魚の目を削る
点滴
抗ウィルス剤、抗生物質、ステロイド剤など
レーザー
手術
各種皮膚腫瘍(良性、悪性)
対象疾患
日常よく見られる皮膚疾患
アトピー性皮膚炎、手湿疹、皮脂欠乏性湿疹、 脂漏性皮膚炎、貨幣状湿疹、 接触皮膚炎(かぶれ)、 虫刺症、
希に見られる皮膚疾患
良性腫瘍
表皮嚢腫(粉瘤)、石灰化上皮腫、脂肪腫、 血管腫、リンパ管腫、平滑筋腫、 脂腺母斑、色素性母斑(ほくろ)、青色母斑など
悪性腫瘍
手術件数
2016年度:0件
2017年度:91件(悪性腫瘍:23件)
2018年度(4~7月):53件(悪性腫瘍:10件)
良性腫瘍
母斑、表皮嚢腫、脂肪腫、脂漏性角化症、尋常性疣贅、神経線維腫、脂腺母斑、石灰化上皮腫、黄色腫、皮膚線維腫、血管拡張性肉芽腫、陥入爪など
悪性腫瘍
悪性黒色腫、乳房外パジェット病、基底細胞癌、有棘細胞癌、Bowen病など
岩国医療センターだより『皮膚科』
過去に広報誌「岩国医療センターだより」にて掲載しました「皮膚科だより」等、皮膚科関連の記事を閲覧できます。