胸部外科このページを印刷する - 胸部外科

TEL / 0827-34-1000(内線3004)

概要

当科では、肺癌、縦隔腫瘍、気胸などの呼吸器外科の疾患の診断・治療を広く施行しております。

手術においては、肺癌や良性の疾患に対して、胸腔鏡を用いた手術を積極的に施行して創を縮小化したり、区域切除、部分切除などの縮小手術を採用するなど、低侵襲化に努めております。

進行肺癌に対しては、呼吸器内科、放射線科とカンファレンスを通じて協力しながら、手術・化学療法・放射線療法を組み合わせた集学的治療を施行しております。

人口の高齢化に伴い、高齢の患者さまが増加していますが、他科との協力のもとに、高齢者であっても安全に手術が施行できるように努めております。

以上のように、チーム医療を実践して、あらゆる呼吸器疾患に対して、個人個人に適した最良の治療を提供することを心がけております。

 

主な診療内容

原発性肺癌、転移性肺腫瘍、肺良性腫瘍、気胸、縦隔腫瘍、重症筋無力症、胸膜中皮腫など。

 

手術実績

                                                                                                                                                    
  2018年 2019年 2020年 2021年 2022年 2023年
原発性肺癌 120例 150例 137例 131例 129例 102例
肺良性腫瘍 2例 1例 5例 9例 10例
転移性
肺腫瘍
13例 27例 24例 22例 14例 11例
気管腫瘍
胸膜中皮腫 4例 8例 3例 2例 3例 5例
胸壁腫瘍 3例 1例 3例 4例 3例 1例
縦隔腫瘍 15例 15例 12例 7例 8例 7例
炎症性
肺疾患
22例 19例 30例 14例 3例 6例
膿胸・
胸膜炎
9例 13例 24例 22例 32例 11例
血・気胸 25例 27例 41例 23例 34例 24例
横隔膜疾患 1例
その他 4例 3例 5例 14例 3例 8例
217例 265例 279例 244例 238例 185例

 

肺癌の胸腔鏡下手術について

肺癌の現状

現在日本人の死亡原因の第一位は癌による死亡で、2人に1人が癌にかかり、3人に1人が癌で死亡しており、さらに右肩上がりで増加しています。 癌死の中で一番多いのが、肺にできる肺癌によるものであり、これもすごい勢いで増加しています。その中でも肺腺癌の増加が著明で、これはタバコを吸わない人にもできます。
肺癌の治療には、手術・抗癌剤・放射線治療の3種類があり、肺癌の進行の程度により、一番いい方法を選びます。

肺癌の手術

他の臓器に転移していない比較的早期の肺癌に手術を行っています。標準的な手術は、癌の存在する肺葉(右に3個、左に2個あります)を切除し、その領域のリンパ節を切除する、肺葉切除+リンパ節郭清術です。最近ではCTの進歩により、きわめて早期の肺癌が見つかるようになっており、これらに対しては切除範囲を縮小した手術(肺区域切除や肺部分切除)を行っています。

肺癌の胸腔鏡下手術

当院では肺がんの胸腔鏡下手術を導入しています。全身麻酔下に、胸部に穴(ポート)を4か所あけ、その1か所から棒状の胸腔鏡を挿入し、内部の様子をテレビモニターに映し出します(多孔式手術)。他の3か所からいろいろな道具を挿入し、モニター画面を見ながら手術を行います。
標準的肺がん手術である肺葉切除+リンパ節郭清術も、縮小手術である肺区域切除や肺部分切除も可能です。内視鏡システムがどんどんよくなり、細かい部分までよく見え、手術を安全に行うことができます。
また、近年ではポート1カ所のみで行う単孔式手術ロボット支援下手術も行っています。

 

多孔式手術

 

単孔式手術

開胸部分が一カ所なので、多孔式手術より整容面に優れます。術後の疼痛もより少ない印象です。

 

ロボット支援下手術

多関節を持つロボットにより、複雑な手術も小さい創から行うことが出来ます。術後の疼痛も少ない印象です。

 

当院の肺癌治療

肺癌を胸部外科、呼吸器内科、放射線科で治療しています。
毎週カンファレンスを行い、一番いい治療法について相談しています。進行癌に対しては、治療法を組み合わせて(集学的治療)行います。手術適応がある場合、胸部外科で手術を行います。病変の程度により胸腔鏡下手術と開胸手術を使い分け、切除範囲も最適なものを選ぶようにしています。チーム医療によりどのような肺癌に対しても、一番いい治療を提供できるように心がけています。

 

肺がん(原発性肺がん)について

●肺がんとは
●肺がんの診断
●肺がんの進行度(病期)
●肺がんの治療
●肺がん切除例の予後

 

岩国医療センターだより 『胸部外科』

過去に広報誌「岩国医療センターだより」にて掲載しました「胸部外科だより」等、胸部外科関連の記事を閲覧できます。

●岩国医療センターだより「胸部外科」

 

外来診療案内 胸部外科

 
  備考
午前 渡邉 元嗣
塩谷 俊雄  
 -   渡邉 元嗣 
塩谷 俊雄 
白羽 範昭  
渡邉 元嗣    -       
午後      

  
 

胸部外科 担当医師の紹介


 

渡邉 元嗣(わたなべ もとつぐ)/胸部外科医師

◇専門領域/呼吸器外科
◇卒年/岡山大学医学部 
 平成19年卒
 

▼資格等

  • 日本呼吸器外科学会 呼吸器外科専門医
  • 日本外科学会 外科専門医
  • 日本乳がん検診精度管理中央機構 検診マンモグラフィ独影認定医

▼所属学会

  • 日本外科学会
  • 日本臨床外科学会
  • 日本胸部外科学会
  • 日本呼吸器外科学会
  • 日本肺癌学会
  • 日本乳癌学会
  • 日本内視鏡外科学会
  • 日本消化器外科学会
  • 日本癌学会
 

塩谷 俊雄(しおたに としお)/胸部外科医師

◇専門領域/呼吸器外科
◇卒年/岡山大学医学部 
 平成23年卒
 

▼資格等

  • 日本外科学会 外科専門医
  • 日本移植学会 移植認定医
  • 医学博士
  • 呼吸器外科専門医合同委員会 呼吸器外科専門医
  • 日本胸部外科学会 専門医会員

▼所属学会

  • 日本外科学会
  • 日本臨床外科学会
  • 日本胸部外科学会
  • 日本呼吸器外科学会
  • 日本肺癌学会
  • 日本内視鏡外科学会
  • 日本気胸・嚢胞性肺疾患学会
  • 日本移植学会
  • 国際心肺移植学会(ISHLT)
  • 単孔式胸腔鏡手術研究会(JUVIG)
 

白羽 範昭(しらは のりあき)/胸部外科レジデント

◇卒年/ 岡山大学医学部
 令和4年卒 

▼所属学会

  • 日本外科学会
  • 日本呼吸器外科学会