睡眠時無呼吸症候群このページを印刷する - 睡眠時無呼吸症候群

睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome;SAS)とは

睡眠時無呼吸症候群(Sleep Apnea Syndrome; SAS)とは睡眠中に無呼吸が繰り返され、多彩な症状を生じる病気です。閉塞型(鼻や上気道の一部が睡眠中に閉塞するために呼吸ができなくなる)と中枢型(脳にある呼吸中枢の働きに異常が起こり呼吸できなくなる)にわけられ、頻度の多い閉塞型ではまるで首をしめられているかのような無呼吸が本人の自覚なしに生じています。

無呼吸のために脳が慢性的な熟睡不足となり、そのために日中眠気が生じ、居眠り運転や仕事効率低下を招き社会的に問題となります。そしてそれ以上に、高血圧、狭心症、不整脈、心不全、脳卒中といった我々が扱う循環器疾患と密接な関連があり、決して見逃すことのできない病気なのです。
SASを治療することで、薬では改善しなかった高血圧、狭心症症状、不整脈が消失するケースもあります。心不全の発症を予防することもあります。

SASが疑われる場合、睡眠検査(簡易検査または精密検査)を行って無呼吸の種類・重症度を診断し、重症度に応じて治療を検討します。重症のSASを10年間放置すると10人中4人がなくなっていたという報告もあり、重症の方には強く治療をおすすめします。

治療法は、体重管理や側臥位就寝といった生活習慣療法から、CPAP(持続的陽圧換気)療法、マウスピース、手術療法などがあり、当院では個々の症例に応じた治療法を選択しております。

 

心臓弁膜症

心臓は4つの部屋からできており、それぞれの部屋の出口には扉の役割を果たす「弁」がついています。この弁が開きにくくなった病態が「狭窄症」、閉じにくくなった病態が「閉鎖不全症」です。これらをまとめて「心臓弁膜症」と呼んでいます。

おもな弁膜症は、大動脈弁狭窄症、大動脈弁閉鎖不全症、僧帽弁狭窄症、僧帽弁閉鎖不全症です。
はじめは無症状のことが多いのですが、徐々に心臓へ負担がかかり始め、息切れ、呼吸困難、むくみ、動悸などの症状が出始め、息苦しくて眠れないといった心不全症状が起こります。
年のせいだと思っていた症状が、実は弁膜症が原因だったということも多く経験され、高齢化や診断技術の進歩とともに弁膜症の数も増え続けています。

検査ですが、心電図、胸部X線、血液検査など一般検査のほか、特に心臓超音波検査が大変有用で、弁膜症の重症度を判定し治療法を決定します。当院では3D心臓超音波装置を導入しており、より詳細な弁の観察が可能となりました。

治療は、軽症の方は心臓に負担がかからないよう薬でのコントロールを行います。
重症の方は弁を修復する(形成術)、または取り替える(置換術)手術を検討します。

当院では循環器内科と心臓血管外科が密接に連携をとっており、症例ごとに検討を行って、より良い治療を提供できる体制をとっています。また、当院では心エコー検査だけの受診(心エコー外来)も承っております。お気軽に受診またはご紹介ください。