潰瘍性大腸炎このページを印刷する - 潰瘍性大腸炎

潰瘍性大腸炎とは、何らかの原因により、大腸の粘膜に炎症が起こり、びらん(ただれ)や潰瘍ができる病気です。

炎症は通常、肛門に近い直腸から始まり、その後、その奥の結腸に向かって炎症が拡がっていくと考えられています。大腸に起こる炎症のために、下痢や粘血便(血液・粘液・膿の混じった軟便)、発熱や体重減少などの症状があらわれます。

病状は、おさまったり(寛解期)、悪化したり(活動期)を繰り返すことが多く、長期にわたって、この病気とつきあっていくこともあります。

原因については自己免疫の異常による説や、食生活の変化や環境の関与ほかいくつかの説がありますが、まだ特定されていません。また、遺伝についても近親者に比較的多いことは以前から言われていますが、現時点では明確な回答は得られていません。

近年患者数は増加の一途で、平成24年には全国で13万人を超えているとの報告があります。
この病気は厚生労働省が難病の特定疾患に指定しており、クローン病と同様で治療については公費負担の対象となります。詳しくは医療機関を受診時にご相談ください。

病気の治療としては内科的治療として、5-ASA(ペンタサ・アサコール)の内服・注腸、ステロイド剤の内服・点滴・注腸、免疫調節剤(イムラン・ロイケリン・プログラフ)の内服、白血球除去療法、抗TNFα受容体拮抗薬(レミケード点滴・ヒュミラ皮下注射)等があります。
当科では上記すべての治療を行っています。
また、様々な内科的治療でも反応性が乏しく、大量出血を繰り返したり、中毒性巨大結腸症(大腸が異常に腫れて毒素が全身に回る状態)となったり、穿孔(腸に穴があくこと)やがんを合併したりすると外科的治療が必要となります。