当院での取り組み(ペースメーカーサイト)このページを印刷する - 当院での取り組み(ペースメーカーサイト)

ペースメーカー診療における取り組み

高齢化が進むにつれてペースメーカーが必要な患者さんが全国的に増えています。
全国的にも高齢化が進んだこの岩国地区では、ペースメーカー植え込み件数並びに植込み患者さんの高齢化がとても重要な問題になっております。



当科では月1回第3水曜にペースメーカー専門外来診療を行っています。
植え込み件数が増えているため、外来患者数が持続的に増えていることが問題でした。
外来患者数増加により、1.患者さんの待ち時間が増える 2.1人当たりの診療時間が短くなり手厚い診療ができなくなる 3.遠方から高齢の患者さんを連れてくる御家族の負担も大きい などの問題点がありました。この問題は当院に限らず、全国的な問題でもあります。


  
 

A) ケアリンクエスプレスを利用した地域病診連携

なんとか外来混雑を緩和するため、当科では2018年からある取り組みを行ってきました。
ケアリンクエクスプレスと呼ばれるペースメーカチェックの機器を (A)かかりつけの病院・医院(クリニック)に配備いただく (B)院内でも専門外来以外の循環器外来に配備する ことでペースメーカー診療を分担して行っております。


※すべてのペースメーカーで、このシステムを使用することが可能なわけではありません。

循環器を専門に診療される地域の先生方と繰り返し連携を取り合って、患者さんの自宅から近いかかりつけ医での定期受診時にペースメーカー専門チェックができるよう配備しております。
これによって、時間をかけて当院までペースメーカーのチェックに来る患者さんの負担が軽減できるようになりました。
一方で、患者さんの管理内容は当院とかかりつけ医先生方で共有できるようにしており、安心してかかりつけの先生に診療いただけるようにさせていただいております。


 

  
 

B) 院内におけるケアリンクエスプレスを利用した取り組み

院内でも循環器内科定期受診時にペースメーカー専門チェックができるよう配備しております。これによって、ペースメーカー専門外来への負担を軽減できるようになりました。


 

 

C) 取り組みの成果

2021年夏の段階で14施設に取り組みに協力いただき、200人を超える患者さんの安全なペースメーカー管理をこの方法で行うことができております。当院での外来混雑緩和に対する成果も得られており、患者さん・御家族へのアンケート調査でも「待ち時間が減った」「付添負担が軽減された」などの御意見をいただきました。
日本全国でもこのような取り組みを実現できている地域は極めて希少であります。

 

この取り組みが安全に行われていることは、協力いただいている地域の先生方ならびに患者さんのおかげと感じております。改めてこの場をお借りして感謝申し上げます(循環器内科・不整脈治療部門医長 和田匡史)。