RIについてこのページを印刷する - RIについて

RI検査機器を更新しました

RI(Radio Isotope)検査は、特定の組織や臓器・細胞の機能や代謝情報を画像化・数値化する検査です。歴史の古い検査ではありますが、残念ながらCTやMRI検査(画像)と比べ空間分解能(解像度)の点で大きく劣るため、現在は補助的な検査として施行されることが多いです。しかし、使用する薬剤(放射性医薬品、多種あります)により検査目的や部位は多彩で、他の検査では得ることができない有用な情報がつかめ、疾患の良悪性の鑑別・病期決定・治療効果の判定などに用いられています。1回の検査で、全身を撮影することができます。
当院では1980年代よりRI検査を行っていますが、前機器(数代目)の老朽化により、このたび検査機器を更新しました。
新しい機器は、Symbia Evo Excel(シーメンスヘルスケア社製)です。前機器と比較して画質が向上し、心機能評価の対象が広がり、空間的に検査が楽になりました。岩国医療圏内では、唯一の機器になります。

【新しいRI撮影装置Symbia Evo Excel(シーメンスヘルスケア株式会社)】

 

RI検査について

RI検査は、放射性医薬品(放射線を出している薬剤)を、体内に投与することで行います。
投与された放射性医薬品は、目的の病変や臓器に集まります。それより(体内から)放出される放射線を撮影し、画像を作成します。放射線被ばくがありますが、かなり少量で、1回の検査で健康に対する悪影響はありません。この検査の長所・短所は、以下のような点です。

 

当院で行っているRI検査

RI検査は非常に多種の検査があります。そのうち、当院で施行できるものは30種類程度です。
当院で行っているRI検査で、検査頻度が高いもの・頻度は低いが有用・特徴のあるものを紹介します。(RI検査で作成された画像を、シンチグラフィと言います。)

 

検査の頻度が高いもの

  • 骨シンチグラフィ:がんの全身の骨転移などを評価するのに有用です。(薬剤:99mTc-MDP)

【骨シンチグラフィの画像】

 

  • 脳血流シンチグラフィ:脳実質の血流の分布と量を評価できます。(薬剤:123 I-IMP)

【脳血流シンチグラフィの画像】

 

  • 心筋血流シンチグラフィ:心臓の血流の分布と量を評価できます。(薬剤:201Tl-Cl)

【心筋血流シンチグラフィの画像】

 

  • 心筋ピロリン酸シンチグラフィ:心アミロイドーシスの診断に有用です。(薬剤:99mTc-PYP)
  • 神経受容体シンチグラフィ(ダットスキャン):パーキンソン病などの診断に有用です。(薬剤:123I-FP-CIT)

 

検査頻度は低いが、有用・特徴のあるもの

  • 腎シンチグラフィ・レノグラム:腎機能を評価し、グラフ化もできます。(薬剤:99mTc-MAG3)

【腎シンチグラフィ、レノグラムの画像】

 

  • 肝受容体シンチグラフィ:肝機能を評価できます。(薬剤:99mTc-GSA)
  • 甲状腺シンチグラフィ:甲状腺の機能や形態を評価できます。(薬剤:99mTcO4-)
  • ガリウムシンチグラフィ:腫瘍や炎症の検索に適しています。(薬剤:67Ga-citrate)
  • 脳槽シンチグラフィ:低髄液圧症候群の診断に有用です。(薬剤:111In-DTPA)

当院では、これらの多様な検査画像を、放射線科診断専門医・各々の領域の専門医が詳細に評価しています。