PETについてこのページを印刷する - PETについて

PET-CT検査機器を更新しました

PET(Positron Emission Tomography:陽電子放出断層撮影)検査は、近年のがんの診療に不可欠となっています。がんの治療を開始する際に、病変の存在部位や広がり、遠くの部位に及んでいないか(転移)を詳しく評価する必要があります。治療中・治療後も、がんの経過の慎重な評価が必要です。

PET検査は、これらの評価に重要です。検査により、偶然、無症状のがんが発見されることもあります。1回の検査で全身を撮影することができます。
PET-CT検査は、PET検査とCT検査を同時に行うものです。PET-CT検査機器を使用することで、1回の検査でPETとCTの画像を両方撮影することができます。
この2つの全身画像を重ね合わせることで、より詳細な病変の評価ができます。


【図1:PET画像とCT画像を合成することで、より詳細な評価が可能です】

 

当院では2013年よりPET-CT検査を行っていますが、前機器の老朽化により、このたび検査機器を更新しました。
新しい機器は、Biograph Horizon(シーメンスヘルスケア社製)です。岩国医療圏内では、唯一の機器になります。

【図2:新しいPET-CT撮影装置Biograph Horizon(シーメンスヘルスケア社製)】

 

PET-CT検査について

PET-CT検査は、放射性薬剤FDG(ブドウ糖類似PET検査薬)を体内に投与することで行います。
薬剤を静脈注射し、1時間の安静後(図3)、検査台で横になっているだけでPET画像・CT画像を撮影し、検査は終了です。放射線被ばくがありますが、かなり少量で、健康に対する悪影響はありません。
このように、検査の安全性が高い・身体の負担が少ない点はPET-CT検査の長所です。

【図3:待機室。放射性薬剤を投与後、待機室で1時間程度安静にしていただきます】

 

放射性薬剤FDGは、体内のブドウ糖代謝の高い細胞に集まります。
がん細胞は通常、ブドウ糖代謝が非常に高いため、FDGが強く集積します。この強く集積している部分(合成画像では赤くなります)を探すことで、がんの存在を特定します(図4)。ただし、がん細胞以外でもブドウ糖代謝が高い細胞があり(炎症細胞・脳細胞・心筋細胞など)、逆に一部のがんではFDGが集積しない(肝がん・腎がん・前立腺がんなど)ため、画像の評価には知識と経験が必要です。
当院では、放射線科診断専門医・各々の領域の専門医による画像の詳細な評価を行っています。

 

【図4:PET-CTの合成画像。がん病変に、FDGの強い集積が見られます】

 

PET-CT検査の長所と短所

これらの短所は、経験を積んだ医師が画像を評価すること・適正に検査を行うことで、多くが解消できます。

 

PET-CT検診について

新しいPET-CT検査機器の設置に伴い、当院ではPET-CT検診(PET/CTがんドック)を開始しました。PET-CTを含んだ検診でのがんの発見率は、従来の検診での発見率の10~20倍とされています。
より詳しい検診をご希望の方、がんに対する不安のある方など、お気軽にお問い合わせください。

岩国医療センター 放射線科
問合せ時間:平日9:00~15:00
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放射線科TEL:0827-35-5656