特別講演 「医療とアート」
講師 NPOアーツプロジェクト理事長 森合音 先生
12月22日に特別講演として、「医療とアート」を開催しました。
コロナ感染拡大防止のため、施設収容人数50%以内として、研修センター、大教室2カ所の計3カ所でオンライン講演としました。
講演では、「病院にあるべきアートの考え方とは」や「地域やボランティアの方々が病院アートに関わることはどのような意義があるのか」など実際に実施したプロジェクト内容を写真とわかりやすい言葉で説明してくれました。
環境づくりにおいては、1.人間の自然治癒力を事例に、病気によって人工物である病院の中で生きるが自然治癒力を高める上でも自然の中で生きる雰囲気づくりが大切であること、2.病院レストランは食べることが目的ではあるが、その他の目的としてくつろげる空間であることも目的であり、くつろげる空間とは1人1人異なるためくつろげる空間づくりは、細かく区切りしてニーズに合わせた丁寧な環境づくりが必要になるなど学生に伝えてくれました。
講演(研修センター)の様子
私たちも患者の自然治癒力を高められるように、関係性も含めた個々に合わせた場づくりを行う必要があると実感しました。
また、病院アートとは、1.心のこもった広報活動であり、2.ボランティアによる人間味のある患者サービスであり、3.相手にとってメリットのある地域連動など意味的価値の付加となるものであると述べられました。今回のお話の中で、アート活動を通して、病院という場が地域とのつながり、親しみ、活躍という場になることを知りました。そして、「今」を大切にすることは過去にも末来にも影響すること。そのため、何を大切にするのかは、過去も未来も含めて考えるべき内容であると知りました。
看護の対象は人です。看護の対象である人を多角的に捉える必要性を授業の中では、身体・精神・社会・霊的な4側面から捉えたり、ケアリングやトランスパーソナルケアなど理論から学びます。今回の講演を聴いて看護とアートが同じように個の持っている世界を今だけではなく過去も未来も含め大きな視野を持つことを知りました。そして、今回の講演を通して学んだように、その人に適したケアを行う上でアートの考え方は本当に大切になると実感しました。
学生に寄り添った言葉と声のトーンが本当に聴きやすい講演でした。看護に活かしていければと思います。
オンラインでの講演と森合音先生の講演の様子