AYA世代の当院の取り組みについてこのページを印刷する - AYA世代の当院の取り組みについて

AYA世代とは

あまり聞き慣れない言葉ですがAYA世代という言葉をご存知ですか?
一般的にいわれる小児でもなく成人でもない思春期~若年成人の事をそうよびます。
年齢でいえば15歳~39歳の時期です。
この時期は心身の成長・発達だけでなくライフステージからみても就学、周囲の人との関係構築、就労、恋愛、結婚、出産などの社会生活を営む上でとても大切な時期といえます。



 

AYA世代のがんの特徴

AYA世代のがんは15歳未満の小児に多く発症するがんと成人に多く発症するがんのいずれも発症しますが、特に29歳までの患者の数は少なく最適で効果の高い優れた治療方針は十分に確立している状況とはいえません。その為五年生存率が他の世代に比べて低く、公的な補助制度からも外れている世代であるため社会的支援が乏しいのが現状です。しかし近年がん治療において重点的に取り組むべき課題を有する世代として注目されています。

     

AYA世代の患者さんが抱える問題

小児期と成人期の間にあたるAYA世代の患者さんは、さまざまな問題を抱えています。
例えば病気の治療が生殖機能に及ぼす影響や思春期という多感な時期に病気に罹患することによる様々な精神的ストレス、将来への不安などです。

 

当院のAYA世代の患者さんに向けての取り組み

(1) 就学支援
長期の入院によって生じる不安や不利益を少しでも解消できるよう、当院スタッフが学校との架け橋となりスムーズな復学ができるよう就学サポート等相談に乗らせていただいています。

(2) 生殖機能に関する支援
がんの治療を開始すると生殖機能に問題が出てくる可能性があります。
患者さんのご希望に応じて治療開始前に十分な説明と精子保存や卵子凍結保存などが可能な施設への紹介、治療終了後に出産を希望される場合には適切な生殖医療機関へのご紹介がスムーズに行えるようネットワーク形成に取り組んでいます。

(3) メンタル面での支援
心理療法士による心理的支援や外来通院中の指導、また社会福祉士による経済的負担を軽減するための社会資源に関する情報提供など幅広い支援をおこなっています。

(4) 家族支援
患者さんだけでなく、ご家族の方も不安になられると思います。配偶者との関係や子供に病気のことをどのように伝えるかなども一緒に考えています。

(5) 就労支援
入院や外来通院をするため、仕事への影響の心配も出てくることがあります。
当院にはハローワークの方が月2回病院に来ていただいております。相談に行かれた患者さんの同意が得られれば、病状や治療のスケジュールなどをハローワークの方にお伝えをし、患者さんの状況に合わせた仕事を探すことで治療と仕事を両立できるような支援を行っています。また、現在の仕事を継続できる方法を考えております。

 

相談先

がん相談支援センター
TEL/0827-35-5645 FAX/0827-35-5897
相談受付時間/月~金曜日 8:30~17:15
(土日・祝日・年末年始を除く)